「団塊の世代」(6)

団塊の世代と医療

「団塊の世代」も今や何だかんだもてはやされ、NHKでも「団塊の世代と音楽」と言う特集を「クローズアップ現代」で組んだ。それはそれとして、先送り(言いたい事沢山あり!)するとしてもっと身近な切実な問題から取り上げる。
還暦も近づくと、医者のお世話になる機会がめっきり増えた。私の場合、もともと「不整脈」と「高脂血症」でかなり前から成人病検診で「要再検」で引っ掛かり、「再検」に行くと「治療するほどの事は無い」で済んでいた。
ところが、59歳の誕生月の成人病検診でいつもの「要再検」までは良かったが、「不整脈」は「ホルター(24時間心電図)」検査をした結果「専門医の精密検査を受けたほうが良い。紹介状を書きましょう。」という事になった。今まで、「要再検」・「たいした事は無い」の繰り返しに慣れていただけに、一抹の不安。

意を決して某私大病院循環器専門医を訪れた。40代の大学病院の助教授の診察を受ける。それから、「ホルター検査」、「レントゲン」「エコー検査」、「負荷心電図」(トレッドミルで負荷を掛けながら心電図を見る)の結果、助教授先生の診断結果を聞く。「危険な不整脈だから治療が必要。その為には2週間程度の検査入院が必要」と言う。どういう検査かも説明が無い。「普段自覚症状も無いし、2週間の入院は難しい。」と答えると「仕事と命とどっちが大事ですか?」とグサッとくる。「考えさせてくれ」と帰る。

何度か通院するうちにこちらから聞き出して「カテーテルを足と手、両方から入れて見ないと治療法がわからない。」「2週間入院が無理なら、5日間でも可能」という事までがわかった。
大した自覚症状も無く、納得できる説明も無く「カテーテル検査」を受ける決心がつかないので、ネットで色々調べてみた。安易で楽な方法は無いか?
近くの病院で循環器系の「セカンドオピニオン」外来があることを知り、訪ねてみた。
「セカンドオピニオン外来」も一般的でないと見えて受付でも不慣れな感じを受けた。
担当のT先生は国立大医学部循環器の元教授。素人の質問に非常に丁寧に説明してくれる。こちらの経過説明と、心電図検査で「カテーテル検査をするほど深刻な状態ではない。気になる自覚症状が出れば検査をしても良い。当病院にはカテーテルを使わないで冠動脈を検査する装置もある。」というアドバイスであった。「2週間の検査入院」は一体なんだった?
その後、T先生に「睡眠時無呼吸症候群治療」と「肥満治療」の診察を継続している。

 長々と経緯を書いた理由は、
@   医療は「納得」から「信頼」が生まれる。「信頼性」が無いと「命」を託す事は出来ない。例え必要であっても最初の助教授先生からは「カテーテル検査」を受けたくない。
A   「団塊の世代」が高齢化していく中で、自己主張の強い、納得性がないと動かない高齢患者が増え医師は「わかりやすい医療・納得性ある医療」対応策を検討しなければならない。
B   「セカンドオピニオン」制度をもっともっと活用すべき。

ちょっとコジツケがましいが、「団塊の世代」の高齢化に合わせ「医療制度」も抜本的に変革すべきでは?という提案でした。

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(7)還暦の感慨